ファースト・ミニ・アルバム『Broccoli is Here』を記念し、アルバムサイトを開設しました。

これから、いろいろな葉っぱがニョキニョキと生えてくるでしょう。CDと同じく、繰り返し、長く、お楽しみください。

Orangeadeの重層的でありながら予定調和を拒否したポップさに、僕は自分が暮らす今の街を重ねて感じているのかもしれない。

無秩序に伸びる高層ビル群、歩行者も車も入り乱れた交差点、遠慮なく変更される曲がり角や地下道、ナビにない見過ごされた道、聞き覚えのない言語、急ぐ人の顔、たむろする人たちの顔、不機嫌な顔、泣き顔、笑った顔、誰かに会いに行く人の顔、別れてしまった恋人たちの顔。

これが、かつて人類が夢に見た洗練された未来からはほど遠い都市の姿だとしても、建物や人や風があきれるほどに勝手にうごめいている景色を愛おしいと思うことがある。そんなデタラメなリアルや本質的な愛をもっとも優しく描いた現代日本の音楽が、Orangeadeでないのだろうか。

ファースト・ミニ・アルバム『Broccoli Is Here』を繰り返し聴いている。音としてはもう完成しているはずなのに、音楽がにょきにょきと勝手に頭の中で伸びてゆく。彼らのことをシティ・ポップと呼ぶ人も少なくないだろうし、それが間違いだとは思わない。本来の意味でのシティ・ポップは、いつだってこういう音楽であってほしいから。でもね、この都市はやっかいだよ。この3人の作り出す音楽と描き出す景色は、本当に生きてるから。どんどん勝手に拡張してゆくOrangeadeという街に迷い込んで、快楽の迷路で、僕らはまたしても煙に巻かれながら、彼らにハートを撃ち抜かれている。

松永良平(リズム&ペンシル)

©Orangeade